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2.2 オリンポスの3処女神i
家庭的なへスティア
かまどの神ヘスティアはクロノス(時)とレアの長女であり、オリンポスで最年長の神である。
鍛冶の神ヘパイストスが「天上や地下の火」を象徴するのに対し、ヘスティアは「地上の火」を象徴する。
女性として魅力あふれるヘスティアは。アポロンとポセイドンからしつこく求愛された。困り果てた彼女は最高神ゼウスに相談した。彼女はゼウスの額に手を当て、永遠の処女を誓った。ゼウスの計らいにより、彼女はオリンポスの神々の中心を置かれた。家庭生活や氏族の女神と崇められ、犠牲の供物の最上の部分を最初に捧げられるよう立場となった。次第にギリシア諸都市の市庁(プリュタネイオン)にも炉が設けられ、彼女は市の保護神として祭られるようになった。
洗濯機のない時代、お爺さんが芝刈りに行けばお婆さんは川へ洗濯に行く。「家事は女性の仕事」という「性的役割分担制」は、昭和の中頃までは当然のことであった。60年代の高度経済成長時代に洗濯機や冷蔵庫が普及した。女性は家事労働から解放され、社会進出が進んだ。
ヘスティアの仕事は家庭の中心である「炉を守ること」である。昭和の「家庭的な女性」であり、「社会で活躍する女性」とは違う。女性を家庭に拘束しようとする封建的考え方には賛同できないが、「家庭で働く女性」が「社会で働く女性」より劣るという考え方は差別的である。家事労働も立派な労働である。
代わりに料理を作ってくれる誰かがいるから社会で活躍できる。よって、ヘスティアは今でも輝く。
才色兼備のアテナ
妊娠した妻メティスを飲み込んだゼウスは、月が満ちると激しい頭痛に襲われた。息子ヘパイストス(鍛冶の神)に頭を割ってもらい、アテナが飛び出た。全能の神ゼウスの頭から生まれたアテナは「知恵の神」である。また、アテナの眼は青く輝くふくろうの眼であるゆえ、ふくろうは「知恵の象徴」である。
ウラノス(天空)の血から生まれたギガスが暴れた時、アテナは英雄ヘラクレスに知恵を授けてギガス討伐に貢献した。その時、楯にギガスの1人パラスの皮を張った。それで彼女は「パラス・アテナ」とも呼ばれる。「パラス」には「乙女」の意味もある。
槍を持ち、完全武装で生まれたアテナは「戦いの神」でもある。「戦いの神」という点では、アレス(ゼウスの正妻ヘラの息子)も一緒である。だが、アテナは乱暴者のアレスとは違う。「平和のための戦いの神」である。
アテナがへパイストスに言い寄られた時、精液が足にかかったので羊毛でふき取り、大地に捨てた。すると、大地からエリクトニオスが生まれた。エリクトニオスは立派に成長し、アテナイの王となった。
純潔の処女神は怖い。その武勇伝はこと欠かない。
① アテナとポセイドン(海の王)がアッティカの守護神の地位をかけて争った。アテナはアクロポリスの丘にオリーブの木を芽生えさせ、その座を射止めた。それからアッティカはアテナイと名を変え、ギリシア最大の都市に発展した。
ポセイドンとメドゥーサは恋に落ち、アテナの神殿で情事に励んだ。さらに、メドゥーサは「(自分の)髪はアテナよりも美しい」と言った。
アテナは激怒し、メドゥーサを蛇の髪と恐ろしい顔に変えた。それで、メドゥーサを見たものは恐怖で石になってしまう。それから、メドゥーサは西の果てでゴルゴン3姉妹の一員として密かに暮らした。ペルセウスがメドゥーサを倒した後、アテナはメドゥーサの首を盾に、蛇を鎧にはめ込んだ。
② 「はたおり名人」のアラクネが「アテナにも負けない」と言った。アテナはアラクネと勝負した。だが、アラクネの作品は完璧であった。それでアテナは怒り、アラクネをくもに変えた。
③ 偶然アテナの水浴姿を見たテイレイアシスは盲目にされた。
月光の女神アルテミス
月光と狩りの神アルテミスは、ゼウスとレトの子であり、太陽神アポロンの双子の妹である。また、出産の守護神、豊穣の守護神、子供の守護神でもある。
アテネが3歳の時、「永遠に処女であること」「アポロンと同じ弓矢」「サフランの色の狩り衣」「60人の海のニンフ」「20人の河のニンフ」を最高神ゼウスに願った。それで彼女は恋愛の神アプロディテの恋の呪文も通じない純潔の処女神となった。
だが、純潔を固く誓っているだけに、怒らせるとすぐに矢を飛ばす、怖い女神でもある。
カリストは、アルテミスに仕えるニンフ(妖精)であった。ゼウスはアルテミスに変身してカリストを手込めにした。付き人にも純潔を求めるアルテミスは激怒し、カリストを熊の姿に変えた。⇒ おおぐま座とこぐま座<カリスト<最高神ゼウス
狩人のアクタイオンは、パルテニオスの泉で偶然アルテミスの水浴を見かけてしまった。怒ったアルテミスはアクタイオンを牡鹿に変身させて、犬をけしかけて引き裂いた。
こんなアルテミスにも恋愛経験はある。彼女はオリオンを愛した。オリオンは海神ポセイドンの子であるから水泳が得意であった。ある時、オリオンが遥か沖合いで泳いでいると、アポロンがアルテミスに弓矢の競争をもちかけた。アルテミスが沖合いの目標物を射止めると、それはオリオンだった。悲しみにくれるアルテミスはゼウスに頼み、オリオンを星座にしてもらった。
異説もある。力もちで狩りが上手なオリオンは、自由気ままに生きていた。それを快く思わないアポロンがオリオンの通り道に猛毒のサソリを仕掛けた。オリオンはサソリにかかとを刺されて死んでしまった。やはり、アルテミスがゼウスに頼んでオリオン座が誕生する。オリオンはサソリへの恐怖から、決して同じ天空にいることはない。オリオン座が天空に現れるのは冬の東南、さそり座は夏から秋にかけて南方の空に現れる。



[左] パルテノン神殿 イクティノスが設計し、前447-432年に建てられた。かつてはこの中にフェイディアス作の「アテナ・パルテノス」が立っていた。
[中] 「アテナ・ヴァルヴァキウ」 (復元) 200~250年、アテネ国立考古学博物館。楯には「ギリシア人とアマゾン族の戦い」および「アポロン神族とギガス(巨人)族の戦い」の図が、サンダルには「ラピテス族とケンタウロス族の戦い」の図が浮き彫りにされている。いずれも「文明の勝利」を象徴している。右手にはニケ(勝利)が立つ。1880年にアテネのヴァルヴァキオンという学校から出土された。原作はフェイディアス「アテナ・パルテノス」前438年。
[右] 「ヴェルサイユのアルテミス」 (復元)、ルーヴル美術館、パリ。原作は前4世紀(ローマ時代)。