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  1.1 最初の神々i

 母ガイア

 初めに、カオス(混沌)からタルタロス(冥界)、エレボス(闇)、ニュクス(夜)、エロス(愛)、ガイア(大地)が生まれた。エレボスとニュクスが結びついてアイテル(上天)とヘメラ(昼)が生まれた。

 最初の神ガイアには夫になるべき男性がいなかった。彼女は独りでウラノス(天空)とポントス(海)を産んだ。

 ガイア(大地)はウラノス(天空)と交わり、オケアノス(大洋)、コイオス、クレイオス、ヒュペリオン(太陽)、イアペトス、クロノス(時)の男神、テイア、レア、テミス(掟)、ムネモシュネ(記憶)、ポイベ、テテュス(海)の女神、合わせて12神を産んだ。これがティタン神族(巨神族)である。

 さらに、2神の間にはブロンテス(雷霆=らいてい)、ステロペス(電光)、アルゲス(自然の光輝)という、1つ目の巨人であるキュプクロス族、コットス、ブリアレオス、ギュエスという50頭100肩のヘカトンケイル族が生まれた。彼らがあまりにも醜かったため、ウラノス(天空)は彼らをタルタロス(冥界)に閉じ込めた。

 ガイア(大地)は、ポントス(海)とも交わり、ネレウス(海の老人)、タウマス(驚異)、ポルキュス、ケト(巨大な魚族)、石英の心をもったエウリュビアなどを生んだ。

 兄弟姉妹の交わり

 ポルキュスとケトからはグライアイ3老婆、ゴルゴン3姉妹、エキドナが生まれた。

 オケアノス(大洋)とテテュス(海)から3000の息子(河川の神々)と3000の娘(水の妖精)、メティス(知恵)、テュケ(運)、ステュクス(冥界の河)、クリュメネ、エウリュノメが生まれた。クリュメネはウラノス(天空)の子、つまりクリュメネのおじのイアペトスと結婚し、メノイティオス、エピメテウス(後から考える)、プロメテウス(先に考える)、アトラス(力もちで、後に天空を支える)を産んだ。

 ヒュペリオン(太陽)とテイアからヘリオス(太陽)とセレネ(月)とエオス(曙)が生まれた。

 コイオスとポイベからは、レトとアステリア(星空)と2人の娘が生まれた。

 クレイオスはポントス(海)の娘エウリュビア(広い力)と結婚し、アストライオス(星座)、パラス、ペルセスの3人の息子をもうけた。

 クロノス(時)は父ウラノス(天空)の性器を切り取り、支配者となった。ウラノスの性器からアプロディテ(愛と美の女神)が生まれた。クロノスは姉のレアを妻にして、ヘスティア、デメテル(農業神)、ヘラ(結婚神)の3人娘とハデス(後の冥界の神)、ポセイドン(後の海神)の2人息子をもうけた。

 このように、兄弟姉妹の交わりで第2世代の神々が次々に生まれた。

 一方、ニュクス(夜)は、1人でエリス(争い)、モイラ(運命)、ネメシス(因果応報)、オネイロス(夢)、ヒュプノス(眠り)、タナトス(死)、モモス(非難)、アパテ(欺瞞)、ゲラス(老い)、ピテロス(愛欲)、オイジュス(苦悩)を産んだ。

 ニュクス(夜)の子エリスは悲しみ、忘却、餓え、病気、殺人、うそ、ごまかし、戦闘、不正、呪い、けんか、殺害、誓いを産んだ。

 ティタン神族vsオリンポス神族

 かつて自分の父を倒したクロノス(時)は、自ら子供に倒されるのを恐れ、5人の子供を飲み込んでしまった。そこで、レアは一計を案じ、6人目の子ゼウス(後の最高神)をガイア(大地)に委ねた。ゼウスは、ガイアの命により密かにクレタ島で2人のニンフに育てられた。

 成長したゼウスはクロノスの飲み物に混ぜ物をして、5人を吐き出させた。次に、ガイアの助言で1つ目のキュプクロス族と50頭100肩のヘカトンケイル族を助け出し、味方につけた。キュプクロスはゼウスには攻撃用の「雷霆=らいてい」を、ハデスにはかぶると見えなくなる「かくれ帽子」を、ポセイドンには「三叉の戟」を与えた。こうして、ゼウスらのオリンポス神族はクロノス率いるティタン神族を撃破した。

 以後、天空はゼウス、海はポセイドン、冥界はハデスが支配することになった。また、タルタロス(冥界)の牢番にはヘカトンケイルがあたることになった。

写 真=「ガイア」アラ・パチス(平和の祭壇)、ローマ

彩色図= (L'ARA COM'ERA  Un racconto in realtà aumentata del Museo dell’Ara Pacis  Venerdì e sabato dalle 20 alle 24 dal 14 ottobre 2016)

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