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  1.2 オリンポスの神々i

 

 最高神となったゼウスの最大の務めは子孫をつくることであった。

① メティス

 初めにゼウスはオケアノス(大洋)の娘メティス(知恵の女神)を娶った。だ

が、クロノス(時)と同様に子を恐れ、メティスを胎児もろとも飲み込んでしまった。胎児はゼウスの体内で成長し、ゼウスの頭の天辺から生まれた。これが、アテナ(知恵と戦いの女神)であり、後のアテナイの守護神である。

② テミス

 テミス(掟の神)からはエイレネ(春・平和)、エウノミア(夏・秩序)、ディケ(冬・正義)の3姉妹ホライ(季節・秩序の女神)、生命の糸を紡ぐクロト、糸の長さを計るラケシス、糸を切るアトロポスという運命の3姉妹モイライが生まれた。

③ エウリュノメ

 オケアノス(大洋)の娘エウリュノメからはアグライア(輝き)、エウプロシュネ(歓喜)、タリア(繁栄)の3女神が生まれた。これが美と優雅の3女神である。

④ ムネモシュネ

 ウラノス(天空)の娘ムネモシュネ(記憶)からは9人のムーサ(芸術の女神)が生まれた。ムーサたちは音楽の神アポロンに仕える。

⑤ ヘ ラ

 ゼウスはカッコウに変身して姉のヘラに近づいたが、ヘラは正妻となるまで身体を許さなかった。だから、ヘラは結婚・家庭・性生活の守護神となった。ヘラからはヘパイストス(火と鍛冶の神)、アレス(戦争の神)、ヘベ(青春の女神)、エイレイテュイア(出産の女神)が生まれた。

 

⑥ レ ト

 コイオスとポイペの娘レトはゼウスのいとこにあたる。レトがゼウスの子を宿したときヘラは嫉妬し、「レトが分娩する場所を提供しないよう」世界中の陸地に指令を発した。だが、レトは妹オルテギュア(デロス)の協力を取りつけた。

 それでも、ヘラは娘のエイレイテュイア(出産の女神)を隠して出産させなかった。見かねた女神らはイリス(虹の女神)をオリンポスに送り、ヘラの目を盗んでエイレイテュイアを連れ出した。こうして、レトはアポロン(太陽と音楽の神)とアルテミス(月光と狩りの女神)の双子を産んだ。

⑦ マイア

 ティタン族のアトラスは、ゼウスに逆らった罪で天空を支える罰を受けている。アトラスの娘マイアは自分がゼウスと結ばれれば、父が許されると考えた。 マイアはゼウスの子ヘルメス(旅・商業の神)を生んだ。だが、アトラスが許されることはなかった。

⑧ デメテル

 姉のデメテル(農業神)からはコレー(乙女の女神)が生まれた。冥界の神ハデスはゼウスの許可を得てコレーと結ばれた。コレーは冥界の王妃にふさわしい「ペルセポネ」という名をもらった。娘を冥界にとられたデメテルの悲しみで世界は不作に襲われた。

 困ったゼウスがコレーを連れ戻すと、世界にまた春が訪れた。ところが、冥界でざくろを4粒食べてしまったコレーは1年のうち4カ月は冥界のペルセポネとして暮らすことになった。その間、デメテルは悲しみに沈み、すべての農作物が枯れてしまう。コレーが戻ると春がくる。こうして、季節が生まれた。

次回募集開始日は7/1(月)です。

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