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2.5 翻弄される女性たちi
予言者カッサンドラ
トロイア王プリアモスとヘカベの娘カッサンドラは、美しい女性だった。アポロンはカッサンドラを愛し、カッサンドラがその愛を受け入れる変わりに予言の力を与えた。すると、アポロンがカッサンドラに飽きてしまう未来が見えてしまい、カッサンドラはアポロンに愛想を尽かした。
裏切られたアポロンは怒り、カッサンドラには「予言しても誰にも信じてもらえない」運命を負わせた。
カッサンドラはトロイア戦争を予言し、木馬の真の目的も、アガメムノンの暗殺も予言したが、誰にも信じてはもらえなかった。
カッサンドラはアガメムノンに戦利品として与えられた。トロイアが陥落した時、彼女はアテナの神殿に逃げ込んだが、そこで暴行を受けてしまった。アテナは、神殿の神聖を冒したギリシア人が故国へ戻る途中で大量に殺りくした。
その後、カッサンドラはアガメムノンの妻クリュタイムネストラの手にかかって命を落とした。
トロイア陥落を正確に予言してしながら誰にも信じてもらえなかったカッサンドラは孤独のうちに一生を終えた。
夫殺しのクリュタイムネストラ
ギリシア軍を勝利に導いた総大将アガメムノンは、帰国後、妻のクリュタイムネストラとその愛人アイギストスに謀殺された。アガメムノンの息子オレストスは難を逃れ、国外に脱出した。原因はアガメムノンにあった。トロイア出陣の際、各地から艦船が集結する間、アルテミス(狩猟の女神)のお気に入りの牡鹿を射止めた。さらに、アガメムノンは「自分の腕がアルテミスより上だ」と誇った。そこで、「娘のイピゲネイアを捧げよ」という神託を受けた。アルテミスはイピゲネイアを気の毒に思い、身代わりの牡鹿を送った。ところが、娘を連れ出されたクリュタイムネストラの怒りは収まらず、今回の謀殺につながったのである。
では、アイギストスがアガメムノンを殺害した理由は何か。アガメムノンの父アトレウスの弟テュエステスが兄アトレウスの妻と関係をもち、それを知ったアトレウスはテュエステスの3人の子どもを殺して料理し、テュエステスに食べさせてしまった。実は、アイギストスはそのテュエステスの息子、つまりアガメムノンのいとこだった。
事件はこれで終わらなかった。アイギストスとクリュタイムネストラがアガメムノンを殺してミュケナイの覇権を握って8年後、成人して戻ったアガメムノンとクリュタイムネストラの息子オレステスは姉エレクトラの協力を得、友人ピュラデスとアイギストスとクリュタイムネストラを殺害した。オレストスは母親殺しの件で、「スキュテイアのタウロス人たちが祭っているアルテミス像をアテナイに持ってくれば許される」との神託を受けた。そこで、かつて生贄にされた姉イピゲネイアと出会い、帰国し、幸福に暮らした。守護神アテナが母親殺しを許したからである。
貞淑な妻ペネロペ
トロイア戦争の英雄オデュッセウスは、故郷のイタカへの帰路、1つ目巨人キュクロプスのポリュペモスを殺してしまった。ところが、ポリュペモスは海神ポセイドンの子であったので、ポセイドンの怒りを買い、イタカに着くのに20年を要した。
その間、オデュッセウスの妻ペネロペに57人の求婚者が押し寄せた。彼女は、義父の棺衣を織り上げてから再婚相手を選ぶと約束した。彼女は昼間はせっせと機を織り、夜になるとこっそりほどいて求婚者たちを欺いた。このように20年間も夫を待ち続けたペネロペは、家父長的モラルに合致する「貞淑な女」の代名詞となった。
若桑みどり『象徴としての女性像』(筑摩書房、1999年)の第4章「紡ぐ女-アテナとアラクネ」によると、女性が家庭で行う仕事とされていた「糸紡ぎ」は「貞節」の象徴でもあった。家父長制の時代には、勤勉、忍耐、沈黙、従順、貞節という徳目が女子教育の中で重視されたからである。